昭和医科大学 保健医療学部看護学科

オーストラリアフリンダース大学視察報告書

視察の目的:オーストラリア/フリンダース大学の医療・看護教育システム・臨床実習についての理解を深め、今後昭和医科大学保健医療学部看護学科との交流の可能性を検討する。

 

期間:2026年2月11日~2026年2月15日(視察:4日間)
内容:1日目 キャンパス内見学・学生生活における大学環境についての説明
      2日目 講義の見学

教育学部長Sebastian Doeltgen教授とのミーティング;当校との交流に向けての実行可能性における検討、2029年度のヘルスケアセンターについての概要などの説明を受けた。

 看護リーダーシップおよびエンゲージメント担当副学部長 Karleen Thornton教授とのミーティング;フリンダース大学の教育カリキュラムについての説明を受けた。

   3日目 副学長兼統括学部長Tracy Humphrey教授とのミーティング;当校との交流に向けての実施内容における実施可能性の検討などを行った。
アデレード市の地区踏査:美術館見学

   4日目 アデレード市内の地区踏査:図書館・ボタニカルガーデン等

  • アデレード地域の特性
    アデレードはオーストラリア南部に位置する南オーストラリア州の州都で、海と丘陵地帯に囲まれた美しい都市である。人口は約148万人で、都市としての利便性と自然環境の豊かさが調和しており、市の中心部は平野に広がり、計画都市として整備されたため街並みが整っていることが特徴である。
  • フリンダース大学の特徴
    フリンダース大学の主なキャンパスは、アデレード市中心部の南側に位置するベッドフォード・パークという郊外にあり、市内中心部から電車で約25分ほどの距離である。フリンダース大学は50年の歴史があり、学生の個々のバックグラウンドに合わせたコースを提供している。

・Nursing and Health Sciences学部
 フリンダース大学の看護学士課程は3年制(Bachelor of Nursing Pre-registration)であり、オーストラリア看護認定評議(ANAC)の認定を受けている。学士課程の学生数は約1570名おり、他分野の学位を持つ人のための2年間コース(Graduate Entry)やオンラインコースも提供している。カリキュラムについては「構造化された看護教育プログラム」があり、内容は認定基準に基づき、理論学修と段階的な臨床実習が組み合わせ行われている。学生の技術の修得は、実習前に4日間の集中スキルコースを修了してから、臨床実習に臨む仕組みになっている。実習については、主に3年生で重点的に実施し、960時間行っている。

・ヘルスケアセンターの設立
 現在、南アデレード地域に向けた新たな最先端医療サービスが提供できるヘルスケア―センターを建設中であり、Tracy Humphrey教授がプロジェクトリーダーとなり、2029年の開設を目指している。このセンターは、看護師をはじめとする多職種をフリンダース大学で排出し、年間1300名の卒業生が働ける場となり、多職種連携の強化を図る大きなプロジェクトである。

・学生の生活環境や講義
 フリンダース大学は留学生の受け入れが多く、留学中の学生が気軽に相談できる環境が整えられている。また、ファミリードクターも在中しており、メディケアの制度により無料で教職員・学生は病院受診やメンタルヘルス、カウンセリングなども受診できるシステムが整っている。

 学生は1クラス約28名の定員で構成されている。学生の講義に参加したが、講義・グループワークが中心であり、多くの留学生はオーストラリアの看護の考え方を修得しながら、様々な他国の学生との議論によって、講義を通して異文化交流ができ、国際的な視野が広がる学修が行われている印象を持った。

 

  • 今後の交流について
    今回の視察を得て、様々な立場の教員や学生との交流が行えた。オーストラリアは、Person centered careやノンリフトポリシー、地方・遠隔地医療の強化、高度実践看護の拡充など政策が行われている。これらの施策を含めた教育や留学生との国際的な関わりを踏まえ、今後当校との交流を視野に関係性を深め、学生たちの国際的な視野の育成や看護の可能性の拡大などに役立てていきたい。