共に考える医療倫理~B型肝炎控訴原告団と弁護団の声を聞く~

協働する会員校:東北文化学園大学、岩手保健医療大学

【プロジェクト目的と方法】

東北文化学園大学と岩手保健医療大学では、初年次からの医療倫理・看護倫理教育の重要性から、看護学教育の内容や方法を試行錯誤している。

今回、地区プロジェクト目的は、①B型肝炎控訴原告団と弁護団の講話から倫理的課題に気づき、医療者の責任について考える②他大学の学生との交流(グループワーク内容の発表、意見交換)を通して、倫理的課題と向き合う際に必要な対話や協働について体験的に学習することとした。授業は、会員校同士の初年次教育における合同授業(遠隔授業)の形で実施した。まず、B型肝炎控訴原告団と弁護団から両大学看護学生(1年次生)に講話をいただき、次に、講話の内容について各大学においてグループワークを実施した。グループワークの視点は、①倫理的問題や課題に関する気づき、②倫理的問題や課題解決のために「なにができ、なにをすべきか」考え、意見を出し合い、③看護職を目指す学生として、安全な医療の提供や患者に寄り添う医療について考えるとした。最後に、会員校同士をオンラインでつなぎ、グループワークの内容を大学ごとに発表し、講師からフィードバックをいただき、倫理的課題について学びを共有した。

 

【結果】

学生からは「医療者の言動は患者の人生に大きな影響を与えること、国や医療の判断が人の命を左右することを改めて理解した。未来の医療者として、相手の立場に立ち、尊厳を守り、正しい知識を身につけることの大切さを忘れずにいたい」「医療は恩恵が大きい一方、誤った判断が多くの人の人生を左右する」等の意見が聞かれ、看護職を目指す学生として、安全な医療の提供や患者に寄り添う医療について考える授業になっていた。

また、リモートではあるが、他大学の学生と合同授業の中で、互いに考えたこと、学んだことを共有することは、看護を学び始めた学生同士が刺激し合い、看護学を学ぶことへのモチベーション維持・向上につながっていた。

合同授業終了後、講話を担当いただいたB型肝炎控訴原告団と弁護団に学生の事後レポートを送付し、原告団と弁護団の方々の生の声を聴くことは、看護職を目指す学生が「安全な医療の提供や患者に寄り添う医療について」具体的に考える貴重な機会になったことを報告した。弁護団より「(学生の)皆さん丁寧にレポートを仕上げてくださり、大変励みになります。原告さんにも共有させていただきます」と返信いただいた。

 

【今後の課題】

合同授業にあたり、大学間の授業の日程調整が必要であった。授業開始時間や終了時間が異なるため、今回は、東北文化学園大学の授業時間に、岩手保健医療大学の授業時間を合わせていただき、合同授業を実施することができたが、時間割確定前など、早い時期に日程を調整する必要があった。最終的には、地区プロジェクトの目的①は、概ね達成できたが、目的②「他大学の学生との交流(グループワーク内容の発表、意見交換)を通して、倫理的課題と向き合う際に必要な対話や協働について体験的に学習する」は、「対話や協働」を進めるにあたり、授業時間が足りなかった。大学間で合同授業を展開する際、日程調整は勿論、大学間の学生同士が「倫理的課題に関する対話や協働」ができるよう、授業内容や方法の検討が必要と考える。

今後の展望として、合同授業により、看護学教育内容の見直す機会となり、授業がブラッシュアップされたと考える。これからも、北海道・東北地区における大学間連携を継続し、より質の高い看護学教育の実践につなげていきたい。

 

2025年度地区活動プロジェクトに採択頂き、看護系大学同士が交流し、学生や教員の交流、看護学教育内容の情報交換や授業を見直す機会をもてたことに、心より感謝申し上げます。